第十話「メインイベントその1」
脹れ上がった僕の瞼の先にそう・・・飛び切り可愛いKくんが・・・
それにしても・・・普通に半ズボンでもいたずらされちゃうぐらい可愛いのに、
リングの上のKくん、僕も履かされたあの短い白のトランクス1枚だけ・・・
長いかもしかのような脚に白いハイソックスとリングシューズ・・・・
ジムの中はすでに異様な雰囲気になっている・・・
選手が紹介される・・・
「青コーナー挑戦者○○ジム!Kくーん!!」
「赤コーナーチャンピオン○○学校初等科Sくん!」
??『挑戦者?チャンピオン???』なんだよ、それ!
それに相手・・・僕の相手より数段強そうだ・・・
黒いトランクスとシューズ、
筋肉質の上半身と脚、
そして両腕に小さ目のグローブ・・・
『冗談じゃない・・これじゃKくんが・・・・』
マウスピースを小さいお口のなかに押し込まれたKくんがリング中央へ、
相手の子はやっぱり薄ら笑いを浮かべて・・・2人の選手が向き合った・・・
とても男の子同士の試合には見えない・・・長い髪の毛に可愛い顔のKくん、
今更ながら脚も長い!白いハイソックスの一番上と相手のトランクスの裾が同じぐらいに
見える・・
「おーいカワイこちゃーん!さっきの子も応援してるぞ!」
我に返った僕・・・野次ったオジサンを睨み付けると投げキッスをされた・・・・
「その顔早く治せよ!カワイこちゃーん!」
いよいよゴングが・・・
Kくん・・・やっぱりいつものように攻撃的な表情・・・
『駄目だ!向かって行っちゃ!Kくん!!・・・』
思い切って相手に立ち向かうKくん・・・長い脚を躍動させる・・・
左右を振って飛び込むKくん!「いいぞ!女の子!!」いつものような野次が・・・
相手は・・・余裕でKくんのパンチを・・・するとガードを下げてKくんに・・・
悔しそうな顔のKくん・・・今度は正面から・・・・ああっ・・・
相手の子の強烈な左フックがKくんの右顎に炸裂・・
Kくんの動きが止る・・・・
今度は相手の子はKくんのボディーに・・いわゆるレバーっていうやつだ・・・
物凄いパンチ力だ・・・・
「うぎゅー!」ドスッというパンチの決まる音のあとにKくんはそんな変な声を出して
しゃがみ込んでしまった・・・・
「Kくんダウーン!!」
四つん這いになったKくん、『僕もきっとああいう風に・・・』
「ワン!・・・・ツー・・・・!・・・・!スリー−−!」例の遅いカウントが・・・
『Kくん、立たないで!!』
しかしKくんはロープをつかんで・・・・
「ボックス!」レフリーがKくんのグローブを握り締めた。
立ち上がったKくん脚が動かない・・・・
必死にガードを固めるが・・・お構いなしに相手はガードの上からKくんの顔面を打ち付ける!
そして・・・・・
続く
イラスト:理樹さん
Kくんのイメージだそうです。
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