第四話「美少年KO負け不思議な興奮」

 いよいよKくんの試合だ・・・僕はついてコーナーに行くことにした・・・

 それにしても・・・Kくんの可愛いこと・・・本当に女の子って言えば皆信じちゃう 感じ・・・

 顔も可愛いけれどトランクスから伸びた脚・・長くて綺麗で・・・・・

 ハイソックスホントに似合う・・・

 「ついにでたな!うわさのカワイ子チャ-ン!」・・・・今度は歓声が上がる・・・

 リングに上がったKくん!その姿を見てると僕もなんだか変な気持ちに・・・・

 さて、相手は、やっぱり僕の時と同じようなタイプだ・・・・

 早速選手紹介!「青コーナーK!」ものすごい歓声?と口笛・・・・・

 「K!思い切って、脚使って!」何処かで聞いた台詞だ・・・・

 「Kくんファイトだよ!」・・・こっくりうなずくKくん可愛い!

 意外にも可愛い顔には闘志が・・・やっぱりそういうタイプなんだ・・・・

 マウスピースを小さいお口に押し込んで・・・・・ついにゴング!試合開始だ!

 僕の時とは違って静かな立ち上がり、Kくんは自慢の長い脚で華麗?なフットワーク

 軽くジャブ・・・相手もこれだけリーチが違うとやりにくそうだ・・

 おじさんたちはカメラを構えてロープの下に沢山・・・やたらにシャッターを・・・

 Kくん、へっトギアから長い髪を・・・それがサラサラゆれる!

 「あと1分!」相手もKくんにいよいよ向かって攻めだした・・・

 フットワークでかわすKくん、だが・・・Kくんがジャブを出して下がる・・・

 鋭くもぐりこむ相手アッパーが・・・「あっ、僕と同じだ」・・・

 Kくんの「ブフッ」っていうような声が・・・

 へットギアがガクンと上に・・・ものすごいシャッターの音・・・

 ガードを固めて下がるKくん、効いている!「いけー黒パン!」

 「いたぶってやれー」・・・・一気に攻勢の相手・・・ガードの上からお構いなしの パンチ・・

 カメの子のようなKくん・・・「Kがんばれ!手を出せラスト20!」

 強烈な相手のボディー・・・「バチン」そんな音がした・・・Kくんたまらずしゃが みこむ・・・

 ダウンだ!両膝を突いてうずくまるようなKくん・・・

 「ワン!ツー!スリー!フォー!ファイブ!・・・」立ち上がってファイティングポ ーズ!

 顔中にくやしさをみなぎらせるKくん・・・その姿を見ていると・・・

 ファイト!すごい!反撃だ・・・ここでゴングがなった・・・・

 マウスピースが口からすこしはみでている・・・悔しそうにコーナーにもどるKくん ・・・

 マウスを吐き出すと赤いものが・・・・・

 「K!悔しいか!攻めなきゃ駄目だ!」

 おじさんたちからは「じっくり痛めつけろ!」とか・・・・・・・・

 Kくんなんだか近寄りがたい感じだ・・・「ファイト!」僕はそれだけ言った・・・

 2Rのゴング!

 開始と同時にKくんは飛び出していった、攻める!「シュッ、シッ」と声がする・・ ・

 思い切ってパンチを出してくKくん・・・当たらない・・・・

 やっぱり僕とは相手のレベルが違うみたいだ・・・鋭いフットワークでかわされる・ ・・・

 それに、ガードを固めて鋭くKくんとの距離を・・・

 相手の黒いシューズの音がキュッキュと音を立てる

 「シンシンシュッ」ジャブから右フック・・・ああ・・・またカメの子状態のKくん ・・・・

 今度はコーナーに詰まる・・・相手の連打・・・パンチ力もかなりあるみたいだ・・ ・

 バチン、ピシッ・・ロープにも垂れるようなKくん・・・危ない!

 ガードが下がる・・・可愛い顔が苦痛にゆがむ・・・

 相手が一歩下がった・・・そこから強烈な右ストレートが・・・・・・

 グチャ・・・・ズルズルとコーナーを背にして崩れ落ちるKくん・・・・無残なダウ ンだ!

 尻餅をつくような感じで、両腕がロープに絡んでいる・・・・

 あっ赤いものが・・・・鼻血だ・・・・・

 おじさんたちはそんなKくんをみて興奮しているようだ・・・・僕も・・・

 まだ時間は1分近くある・・・・

 ナインカウントでかろうじて立ち上がるKくん・・・

 「ガード、脚!」

 完全にグロッキーのKくん・・・脚にきている・・・

 ファイト!

 リングの中央に棒立ち・・・・相手は細かいパンチでロープに詰めようとする・・・

 なされるがままのKくん・・・顔面に細かいパンチを浴びる・・・

 へットギアをしていても駄目・・・真正面から面白いように可愛いKくんに・・・・

 鼻血が飛び散る・・・「コーチ・・・タオル・・・・」たまりかねた僕・・・・

 そんな間もなくまたコーナーに・・・・メッタ打ち・・・無残・・・

 「廻れ!廻れ!」・・・・そんな無責任な・・・・

 左に動こうとするところに容赦なく右フックが・・・・・

 スローモーションのように長い脚の膝から崩れ落ちるKくん・・・・

 3度目のダウン!

 完全に大の字だ・・・『それにしても脚が長い・・・』何でこんな時にそんなこと考 えるんだ僕?

 眠るようにダウンしている・・・「エイト!ナイン!テン!」カンカンカンカン!! !

 完全ノックアウトのKくん・・・・

 自慢の長い脚の白いハイソックス、会長からもらったトランクスに血が飛び散ってい る・・・

 勝ち誇る相手・・・容赦なく沢山のカメラがKくんを・・・・

 ようやくヨロヨロ立ち上がるKくん・・・僕は本当に興奮してしまった・・・・・

 可愛いお口からマウスピースがはみ出している・・・・ちょっぴり腫れ上がった顔・ ・・・

 鼻血・・・・あっ・・・泣いてる・・・・

 「KENNちゃんくやしいよー・・・」

 僕に抱きつくKくん・・格好の被写体?・・・・

 無残な美少年の姿・・・

 「泣くなよKくん、よくやったよ・・・」「だって・・・」声にならないKくん

 2人でまた写真をバチバチされながら控室へ・・・・

 「Kくんだいじょうぶか?」会長がやってきた・・・・

 タオルで鼻血をぬぐったり、ちょっぴり脹れちゃった顔にも濡れたタオルを・・・・

 「ちょっぴり相手が強かっただけだ!よくやったよ!」

 「よし!腹減っただろ!」そういえば試合前はご飯たべられないんだった・・・・

 「Kくん、もう泣くな!、ああ、血がついちゃったな・・新しいの用意してあげるよ !」

 「ごほうびなんか食べにいくぞ!」

 僕ら2人は半ズボンに着替えて会長さんと・・・・『何で僕ら2人だけ』・・・・

 「Kくん、可愛い顔が台無しだな・・・でもカッコよかったぞ!」

 「KENNもやるな!」なんて・・・・

 『でも・・・なんで僕らを見てみんなあんなに興奮してるんだろう?

 たかが小学生の幼稚なボクシングなのに・・・』

 『たしかにKくんのKOシーンは・・』

 『女の子みたいに可愛いKくんが痛めつけられて・・・僕も変な気持ちになったし・ ・・』

 ・・・・・こんな感じでこの後も試合を何試合かさせられた、

 それなりに格好がついてきたのかそれとも・・・

 Kくんもこの後は勝てはしなかったけど・・・こんなKO負けをすることはなかった ・・・

 あの日までは・・・・僕も・・・・

      続く

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