第二話「ボクシングジムでの美少年」

 それにしても、Kくんがまさかボクシングジムに僕を誘ってくるとは思わなかった。

 なんでも、お父さんがジムの人と仲良くなった末のことらしいが、Kくんには、やはり度重なる

 屈辱、何にもましてN子にやられた経験がジム通いを決意させたのかもしれない。

 2人で意を決してジムへ向かった・・・思ったより綺麗なところで、中には何人か練習生がいた。

 その中には小学生も何人かいたけれど、僕らのようなタイプの子ではなかった。

 早速、手続きというか、色々な質問をされた。

 「あっ、Kくん来てくれたんだ、待ってたよ!、友達も一緒だ!」

 すぐに会長さん?が来てくれて、僕らを見るなりとても嬉しそうな顔をした・・・・

 格闘技の経験やボクシングの知識を聞かれたけれど、2人とも何にも知らなかった。

 「大丈夫!少しずつ練習すれば!体も強くなるし!試合だってしてみたいだろ?」

 まさか、「そんなことしたくない」とは言えなかった・・・

 「よし!よく来てくれたから2人にプレゼントしてあげよう!」

 会長さんはいきなり僕らに「トランクス」と「白いボクシングシューズ」をくれた・・

 「どれ、早速着替えてみないか?」僕らはロッカーに連れて行かれた・・・

 会長氏はわざわざ付いて来て、リングシューズを履かせてくれた・・・

 「2人ともなかなかかっこいいぞ!じゃ、グローブつけてみるか?」

 ジムの鏡に映った僕達・・・・Tシャツになぜかとっても白の短いトランクス・・・

 白いリングシューズとハイソックスそして赤いグローブ・・・・

 何だか自分でもちょっと興奮するような格好だ・・・それにKくんの可愛いこと・・・

 「記念撮影だ!2人ともファイティングポーズをとって!」

 会長氏はカメラを持ってくると僕らをバシャバシャ写真に撮りだした・・・

 「使用前ってとこだな!これから楽しみだ、がんばってね」・・・・・・

 その後ジムの先輩に紹介された、こういうところでは他人のことなどどうでもいいのか

 物凄く冷たい視線だ・・・小学生の何人かとはすぐ友達になったが、僕達があまりに場違いな

 雰囲気なのはすぐわかった・・・それに・・僕らだけみたいトランクスとかもらったのは・・・・

 それから週2回、僕らはそのジムに通うことになった。

 練習は思ったより楽?だった・・丁寧に教えてくれるし・・それにコーチもとてもやさしいし・・

 でも、僕らには特にそんな気がした・・・

 1月ぐらい基本的な練習をしたある日・・・

 「KくんとKENNくん、2人でスパーリングしてみろよ!」

 コーチが言った。マウスピースをはめてへっトギアをつけられてKくんとリングに上がった・・・

 僕はなぜかとても興奮した、「こんな可愛いKくんのこと、殴ったり出来ないよな」と思った。

 ゴング!なぜかリング下ではコーチがビデオを回していた・・・・

 Kくんは意外なほど積極的に僕を攻めて来た・・「こいつ?どうしたんだ?」と思うほど・・・・

 「KENN!もっと手を出して」コーチから檄が飛ぶ!2人とも脚!ほらっ!ガード甘いぞ!

 Kくん、可愛い顔に闘志がみなぎっている・・・「こいつ結構性格変わるな?」

 そんなことを思っていると苦しくなってきた。

 体力というかスタミナというか・・2分間でも相当にきつい・・・

 あっ!と思ったときにはKくんのストレートを顔面にもらっていた・・・

 「KENN遠慮するな!」・・・・

 急遽2R目に突入することに・・・

 相変わらずKくんが一方的に攻めて来る・・・僕もさすがに反撃・・・

 いつのまにか激しい打ち合いに、Kくんもさすがに疲れたみたいでガードが・・・・

 思わず僕もパンチを・・

 覚えたてのワンツー・・それからボディー・・・

 終了間際は僕がKくんをロープに詰めてめった打ちに・・・

 2人ともフラフラでスパーリングは終了した。

 「うん!まだまだだけどこれぐらい出来れば上出来だ!」

 「Kは脚が揃うな!だめだぞ!それにガードかなり2人とも甘いな・・・まっいいか・・・!」

 我に返った僕はKくんに「大丈夫?」Kくんは「うん、KENNちゃんこそ・・」

 さっきまでのKくんとは別人のような可愛い男の子がそこにいた。

 「来週別のジムの子と練習試合するぞ!2分3R!2人ともいいな!」

 えっ?「大丈夫だ、いい機会だからやってみろ!」

 とっても憂鬱な気分・・・「試合なんかしたくないよ!」Kくんに言った・・・

 次の週、別のジムの小学生選手が5人やってきた、ジム対抗みたいな感じで試合が・・・

 最初に指名されたのは僕だった・・・相手は5年生の男の子・・・・

      続く

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