「あれ?…霧香?」
目をこすりながらそう呟き、辺りを見回し、隣で寝ている霧香に気がつく。
霧香はまだ寝ていた。














 I can feel it
          eternally














ある朝、ミレイユは霧香より先に目が覚めた。
それは珍しい事だった。
いつも霧香が先に起きてミレイユに……
そこでミレイユは思い立った。
「そうだ、今朝は私のキスで起こしてあげよう!」
ミレイユはすぐさま、霧香のそばに立つと何も知らないであろう霧香に唇を重ねた。
「霧香が目を覚ましたトコロで(おはよう)ね」
至ってシンプルな企み。いつも霧香がしている事をミレイユが。
いつも霧香にこうして起こされるのだった。それだけでは済まないこともあったが…
今や遅しと目を開けるのを待つミレイユ。
……が数秒経っても、起きる様子がない。
ミレイユは少しムッとし、「早く起きなさいよ」と思いつつ、再び唇を重ねる。
そして、また反応はなし。
相変わらず安らかな寝息を立てている。
ミレイユは引きつった笑いを見せる。
決して気が長くないので、既におもしろくなくなっている。
思った通りに事が進まずイライラし始める。
不意に、再挑戦しようとする……
いや今度は、ミレイユは霧香の唇に、自分の舌を割り込ませた。
滑らかに滑り、そして霧香の口の中をかき回す……いやらしい音がもれる。
慣れた動き。寝起きにこれじゃあまだ夢の中と思ってもしょうがない。
そして寝ているせいか、普段とは打って変わって、ただされるがままの霧香。
ミレイユが唇を離すと細い糸が出来ていた。
これで起きなければ、「まさかソルダの奴らがっ?!」とも思いたくなる。
……が!これでも起きなかった。
「……もおっ、何なのよ!」と叫びたかったが、それは出来ない。
そんなに簡単に起こしては今までが台無しだ。
ミレイユは当初の目的を見失いつつあった。
1人で興奮してきてしまって収拾がつかない、というのもある。
「この程度どうって事ないって事ね……なら!」
そう考えると行動を起こす。
布団にもぐり込み、下着の上から霧香の幼い胸に指を這わせ、首筋をなめ上げた。
そして、そのまま撫でるようにして、時折先端を指でつまむ。
続いて、先程のように霧香に濃厚なキスをする。

と、ここまでエスカレートしてしまったが別の視点をとってみよう。
霧香はいつもと同じように今朝もミレイユより先に起きた。
だが、天井を眺め、1日の事をふと思っていると、ミレイユが起き出した。
思わず、そのまま目を閉じ、寝ているふりをする霧香。
ミレイユの行動が気になったのだ。
始まりは好奇心だった。
ミレイユが唇を重ねてきても演技を続けた。
こうしてくれた事は嬉しかった。普段自分からは行動に出さないから。
仕方ない事だが、「まだ何か…」と欲張ってしまった。
だが舌が差し入れられたあたりから、マズい状況になりつつある事に気づく。
ミレイユがヒートアップしている事は明らかだった。
しかし今更、「おはよう」とも言えずにいると、更に行為は続いていく。
霧香は何度も声を上げそうになるが、必死にこらえる。
もう、どうしてこんな事になったのか分からなくなってきた。
分かるのは、今やめる気にもならない、という事。
一方的にミレイユに責められていく。
そして与えられる快感に耐え続ける霧香は、逆に体が熱くなってくるのを感じていた。

ミレイユはブラをずらすと、霧香の少し硬くなった乳首を軽くかむ。
霧香の耳元に吐息が聞こえる。
片方の手はとうとう、パンツの中に……
「ダメッ!わかっちゃう!」焦る霧香。
霧香のそこは既に潤っていて、ミレイユはそのヌルヌルした感触を愉しむように
周りを指でなぞり…2本の指を霧香の中に押し入れた。
「…んうっ!あ…」流石に声を出してしまう霧香。
とうとう目を開ける。
「バレてしまったのだから、本当の事を言おう」と思い、悪い事をしたように、
「あっ、あのねミレイユ。ホントは最初から起きてたの、ゴメンネ」と
おぼつかない口調で告白する。
ミレイユは別段驚いた様子もなく、「はぁ」と一呼吸置き、
「それで?」と少し厳しい表情で言った。
「えっ?!」まったく予想外の反応。どうしたのだろう?
「知ってたわよ、そんなの。あたしも結構な演技だったでしょ?」
とウインクして見せた。こうゆうのを子悪魔的だと言うのだろうか。
すっかり気が動転した霧香。「え、ウソでしょ?何で、えぇ?!」
「私は寝たふりしてて、ミレイユが……演技?最初から?だって…」
頭の中はシェイクされたようだった。
ミレイユは「容赦はしない」と言うように「だから何なの?」と言い放つ。
体を半分起こした霧香を押し倒し、霧香の中の指を再び動かし始める。
「やっ…やだ、あっ」見せかけだけの抵抗だろう。決してイヤそうには見えない。
指を激しく出し入れさせ、片方の手で乳首を強く摘む。
ミレイユは霧香の唇を塞ぐ。
「んっ、ふっ」霧香もミレイユの舌の動きに応える。
ミレイユはわざとしているのであろうか。
指と舌の動きは、やたらと大きな卑猥な音を部屋の中に響かせる。
霧香はもう何の抵抗も見せない。
唇を離し、声を上げさせるミレイユ。その口で乳首を含む。
「ああんっ…あっ、はあっ!」言葉にならない喘ぎ声をもらす霧香。
霧香が限界をむかえかかってる事を悟ったミレイユは、
2本の指が出し入れされている上の突起を親指でこする。
そして、意地悪をしている時のような笑顔で霧香の顔を見つめる。
霧香は執拗に与え続けられた快感によって……
「…んんっ!あっ、ああっ!!ミレイユゥッ!!」霧香の中で何かが弾ける。
「……おはよう、霧香」赤く染まった顔でミレイユはつぶやいた………

ベッドに並んで横たわる2人。
「何か今日のミレイユすごく激しかったよ」そう言い、思い出して顔を赤らめる霧香。
「そうかしら?でもこういうのも悪くないんじゃない?あんたもズイブンと良さそうだったしね…」いじめるミレイユ。
「イジワル…」霧香がそう言い、2人はキスを交わす。
「…じゃあ今度は私の番ね。頑張らなきゃ!」霧香は真剣かつ悪気のない表情で言った。
「え………?!」硬直するミレイユ。これこそ予想外。
霧香はまったくの善心から言ってるし、断る気にもならない……
2人が朝食を迎えるのは、まだ後になりそうだった。


KURTさんからノワール一番乗り(笑)で投稿小説を頂きました。
しかも当ページ初の百合もの。ご本人は謙遜されていますがなかなか萌なものに
なっているかと思われます。皆さんはどんな感想を持たれましたでしょうか?
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