第32回 ときめき10カウント!
そして、ジムの娘モノ(?)の真打登場です。例によって男性練習生より強くて、
そこへ素敵な殿方がやってきて・・・というお約束の展開なのですが、この男性を
巡って恋のライバルが登場し、リングの上で対決!というところが、ある意味素直かつ
わかりやすく、そして意外にも女子ボクシング物ではあまり見られなかったプロットで、
好感が持てます。
特に、敵役のお嬢様ボクサーが物語を盛り上げてくれます。恋する人のためにボクシングを
始め、長い髪まで切って気合を入れるという健気さが泣かせます。やはり、良きライバルが
いてこそ、主役がより輝くということなのでしょう。
作者は、天熊丸木ジムを取材しており、当時よくマスコミに取り上げられていた浅野都香砂選手
にもお会いしたとか。彼女は今頃どこで何をしているのでしょうか。
ボクシングシーンには取材の成果が遺憾なく反映されており、少女漫画では
随一の女子ボクシング作品といっても過言でないでしょう。一読の価値はあります。
小学館・ちゃおフラワーコミックス「ときめき10カウント!」
今井康絵 著
1994年10月20日 初版第1刷発行
定価:379円(税別)
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