Round1その３
「お願い、たって！」
マイリーンが泣きながら叫ぶ。
ヒデアキは言葉を失い、ケンイチは彼女をリングに立たせたことを後悔していた。
レフリーのカウントを夢見ごこちに聞きながら、アイコは幼い頃のことを思い出していた。
それは、上級生にいじめられるマイリーンをかばって戦う自分。
「私、戦わなきゃ」
大勢の上級生にやられる自分。
「なぜ。力が足りないの。」
そんな彼女を助ける少年。そう、あれはヒデアキ。
そして、ケンイチ。なぜか胸が高鳴る自分。
「これは…？」
アイコはカウント９で立ち上がった。
レフェリーの呼びかけにうなずくアイコ。戦闘再開。

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